平成28年度の「四日市公害と環境未来館」との2度目の連携企画として、「暮らしに役立つプランクトン」を実施しました。当日は、環境情報学部教授である田中正明生物学研究所長と小川束研究所員の2名が、約1時間半の講義と顕微鏡画像の説明などを行いました。

まず田中教授から、珪藻の活用方法について、クロロフィルを抽出して化粧品や栄養食品を生産するほか、化石燃料に代わる油分の抽出や、水質汚濁の計測などに加え、アートの世界でも使用されていることの説明がありました。また、自身の経験から、法医学的見地に立って犯罪の罪状判決に役立ったエピソードも語りました。さらに、アメリカの研究は、軍事研究を中心に進んでおり、日本ではまだ研究が遅れていること、研究者も不足していることなど世界的な状況についても、述べられました。

次に小川教授が、電子顕微鏡の仕組みや成り立ちの歴史について、説明しました。一般にはあまり知られていない情報で、参加者はうなずきながら聞いていました。

その後、準備された光学顕微鏡、実体顕微鏡、電子顕微鏡を、説明を受けながら次々に対象物を観察しました。光学顕微鏡では、プランクトンを使用したアート、電子顕微鏡では田中・小川両教授が、この夏、北海道厚岸で採取した海草に付着したプランクトンを観察。アクナンテス、メロシラなどを観察しながら、その精緻な画像に全員が見入っていました。

最後は、田中教授、小川教授を囲んで、質問タイム。和やかな雰囲気で、次々に質問が飛び、時間をオーバーするほどでした。

ぜひまた、このような機会を設け、地域の方にご来学いただきたいと思っております。

 


【説明する田中所長】

【小川研究員の説明】

【電子顕微鏡に見入る】

【電子顕微鏡での観察物についての説明】

【電子顕微鏡の仕組みも学習】

【実体顕微鏡についても説明】

【写真を囲んで質問タイム】