2019年3月16日,暁学園高等学校の生徒を対象に「珪藻の世界 電子顕微鏡による観察」と題した体験会を開催しました.担当したのは生物学研究所の田中正明所長,小川束研究員で,暁学園高等学校からは7名の生徒が参加しました.
はじめに田中正明所長から珪藻についての説明がありました.田中所長の話は珪藻の構造,種類の話はもとより,日常生活の中の珪藻,地球規模の珪藻,珪藻と環境問題にまで及ぶ,広範で高い水準のものでした.
その後,事前にクリーニング,乾燥させておいた試料を使って電子顕微鏡による観察の手順を実際に体験しました.試料の試料台への装着,蒸着,電子顕微鏡本体の準備,ソフトウェアの立ち上げ,電子顕微鏡への試料台の装着,観察,撮影など,一連の作業を生徒たちが行いました.
電子顕微鏡の観察では,田中所長が話された多摩川の環境問題を引き起こしているキンベラ(Cymbella janischii),ゴンフォネイス(Gomphoneis minuta)などを実際に見るとことができました.これらは外来の珪藻で,河川の底に1センチから2センチのマット状に広がり,魚類の餌,景観に影響を与えています.九州の筑後川のものが報告されて以来,近年各地で発見されています.