昨年に続いて今年も田中所長と小川研究員が、北海道の池沼にプランクトン採集の旅に出ました.
簡単に道中記などを報告します.(最終話)
2017年08月25日(金)
昨日の土砂降りに続いて,今日も大雨との予報があったため,予定を早めて今夏の採集を終了することにした.ただ,最後に長者原SAから出たところにある化女沼だけは採集した.ここは以前Bosmina fatalisが出現した沼で,田中所長がいつも注意している沼の一つだ.ただ8月はB. fatalisには少し時期が遅いらしい.昨年も8月で採集はできなかったので,来年は6月にぜひ採集していただきたい.
ちなみに本日唯一採集をした化女沼はラムサール条約登録の沼で,資料館もある.その2階の備え付けの望遠鏡を覗きながら,
「良く見えるね,神社の鳥居の文字まで見えるよ」
「わたしには女子中学生が4人休んでいるのが見えますけど」
「そっちじゃない,もっと左,もっと左ッ」
今回は予定していた本州日本海側の南下は果たせなかったが,8月18日横浜港,19日クッチャロ湖(汽水),20日知志矢橋北側の海岸,同宗谷岬,同猿仏川河口付近の海岸,抜海港,23日元和港と,で目標の一つだった海藻の採集ができた.その他プランクトンネットによる採集をはじめ,泥なども採集したので,しばらくは材料にはこと欠かないと思う.
追伸.これまで車中ではシートを倒して,そこに座布団を並べて寝ていたのだが,昨夜は雨も降っていてその準備が面倒になった.それで田中所長を真似してシートを半分ぐらい倒して寝てみたところ,良く眠れ,腰なども痛くならなかった.私もついに田中所長の域に達したようでうれしかった.もっとも連日の車中泊で疲れていただけかも知れないのだが...(小川記)
化女沼.
化女沼には隣に小さな沼もある.観光の観点からは誰も見向きもしないが,生物という点からすると,こちらの方が期待できそうだ.遠方に見えるのが資料館.
今夏の採集経路.8月18日大間から函館に入り,23日函館に戻るまで,時計と反対まわりに北海道東部を一周した.高速道路は函館から士別剣淵まで,残りはすべて一般道だ.